大型のモデルを3Dプリントする際、造形機のサイズ制限やサポート材の削減を目的に行うのが「データの分割」です。分割位置の工夫やダボなどの位置決め構造、適切な接合設計を取り入れることで、組み立て後のズレを防ぎ、見た目も美しく仕上げられます。
今回は、大型3Dプリントにおける分割設計の考え方、接合方法、位置決めのポイントについて詳しく解説します。
大型3Dプリントで分割設計が必要になる理由
FDM方式をはじめとする3Dプリンターには、一度に造形できる最大サイズ(ビルドボリューム)が決まっています。造形エリアを超える建築模型や大型の試作品、卒業制作の展示物などを製作する場合、モデルをあらかじめ複数のパーツに分割して出力する必要があります。
また、造形サイズに収まる場合であっても、あえて分割することで以下のようなメリットが得られます。
- サポート材の削減:中空部分やオーバーハングが多い形状を分割することで、サポート材の量を減らし、造形時間の短縮や表面の荒れを抑えることにつながります。
- 積層方向の最適化:FDM方式は積層の向きによって外観の滑らかさや強度の出方が変わります。形状ごとに適した向きで造形できるよう分割することで、仕上がりの向上が期待できます。
- 造形失敗のリスク分散:一体で長時間の造形を行うと、万が一途中でトラブルが起きた際のロスが大きくなります。パーツごとに分けることで、影響を最小限にとどめやすくなります。
分割位置の決め方と見た目への配慮
モデルをどこで分割するかは、完成時の外観や組み立てやすさに大きく関わります。分割位置を決める際は、以下の視点を意識すると効果的です。
意匠線やパーツの境界線に合わせる
平面の真ん中で真っ直ぐカットしてしまうと、接着後の継ぎ目(パーティングライン)が目立ちやすくなります。製品のパネルライン、段差、素材の切り替わり部分など、もともと線が存在しても不自然ではない位置で分割するのが基本です。
目立ちにくい裏面や底面を選ぶ
意匠面(正面や上面)を避け、設置時に隠れる底面や背面、内側などを分割ラインに設定することで、継ぎ目が視界に入りにくくなります。建築模型であれば、フロアごとの階層境界や屋根の重なり部分で分割すると自然です。
薄肉部分での分割を避ける
厚みが薄い箇所で分割すると、接着面積が十分に確保できず、組み立て時の強度が不足する原因になります。ある程度厚みがある頑丈な断面でカットすることを推奨します。
ズレを防ぐ位置決め(ダボ・嵌合)の設計
パーツ同士を平らな断面だけで突き合わせて接着しようとすると、位置がずれたり、接着剤が乾くまでにパーツが滑ったりしてしまいます。正確に組み立てるためには、3Dデータ作成時に「位置決め構造」を組み込んでおくことが大切です。
ダボ(ピンと穴)の配置
一方のパーツに突起(ピン)、もう一方に窪み(穴)を設けるダボ構造は、最も一般的で扱いやすい位置決め方法です。 円柱状のダボにする場合は、回転によるズレを防ぐために2箇所以上配置するか、四角柱や異形のダボを採用すると回転を防ぎやすくなります。
クリアランス(隙間)の確保
3Dプリントでは、素材の熱収縮や積層のわずかな膨らみにより、設計通りの寸法に対してわずかな誤差が生じます。そのため、穴とピンの寸法を同一にしてしまうと、きつくて入らなくなるケースがほとんどです。 使用する素材やプリンターの特性に合わせて、あらかじめ穴側を少し大きめにするかピン側を細くする「クリアランス(オフセット)」を設けてモデリングしてください。
印籠(いんろう)継ぎ・段差形状
断面全体に段差をつけて互い違いにはめ合わせる「印籠継ぎ」も有効です。接着面積が広くなるため接合しやすく、光が透けたり隙間が目立ったりするのを防ぐ効果もあります。
3Dプリントパーツを接合する方法と注意点
分割して出力したパーツを一体化させるには、いくつかの接合方法があります。用途や素材に合わせて適した方法を選びましょう。
瞬間接着剤(シアノアクリレート系)
PLAやPETGなどの一般的なFDM素材において、手軽に利用できる方法です。硬化が早いため作業性に優れています。位置決めの微調整をする時間的猶予が少ないため、ダボなどの位置決め構造との併用が適しています。
エポキシ系接着剤(2液混合型)
硬化までに適度な時間があり、位置の微調整がしやすいのが特徴です。また、多少の隙間を埋める充填効果があるため、断面にわずかな反りや隙間がある場合にも向いています。
ネジ止め・インサートナット
メンテナンスや持ち運びのために後から分解したい場合や、接着剤だけでは不安な構造部品には、ネジ止め構造を設けるのが適しています。3Dプリントパーツに下穴を設計し、熱圧入インサートナットを埋め込むか、ナットを収めるポケットをあらかじめモデリングしておく方法が一般的です。
分割モデルを発注する際の流れと確認事項
分割したデータをオンライン3Dプリントサービスへ発注する際は、事前のデータ準備がスムーズな進行の鍵となります。
- ファイルの書き出し形式:分割した各パーツは、それぞれ独立したSTLファイルまたはOBJファイルとして書き出します。複数のパーツが1つのファイル内で重なった状態になっていると、造形配置の際にエラーの原因となることがあります。
- データの向きとエラーチェック:メッシュの反転やポリゴンの破綻(ノンマニフォールド)がないか、スライサーソフト等で確認しておくと安心です。
- 加工や仕上げの範囲:PrintSakuでは、高度な表面仕上げ(パテ埋めやサンディング等)や塗装、データ修正の代行は行っておりません。接合や組み立て、塗装作業はお客様自身で行っていただく前提となりますので、組み立てやすい設計を意識してデータを作成してください。
また、造形費用や出荷までの日数は、モデルの総体積、使用する材料、形状の複雑さ、同時造形数量などによって変動します。正確な金額と出荷予定の目安については、データをアップロードした際の見積もり画面にてご確認ください。なお、お支払いは前払い(クレジットカード等)のみの対応となっており、後払い・掛売には対応していませんが、見積書や請求書の発行は可能です。
まとめ
大型の3Dプリントを成功させるためには、造形前の「分割設計」が非常に重要です。
- 意匠線や影になる部分を利用して分割ラインを目立たなくする
- ダボや嵌合構造を取り入れ、クリアランスを設けてズレを防ぐ
- 用途に合わせた接着剤やネジ止め構造を検討する
これらを意識して3Dモデリングを行うことで、大型モデルでも精度の高い組み立てが可能になります。建築模型、試作パーツ、趣味の大型造形などをご検討中の方は、ぜひ分割データを準備の上、PrintSakuのお見積もりをお試しください。
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本記事はAIを用いて作成し、PrintSaku編集部の基準に基づき公開しています。内容は一般的な情報であり、実際の価格・納期は見積もり画面でご確認ください。
